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■「seamless」セルフ・ライナーノーツ #02

最新作「seamless」に収録された楽曲に込めた想いや制作裏話を、本人が解説するセルフ・ライナーノーツの第二回目。
※第一回目「マジックアワー」はコチラ

前回、思いがけず過去最高数の [いいね!] をもらってしまい(ありがとー!)、何だかおかしなプレッシャーを感じつつも(笑)、二曲目のSpotlightについて書きます。



#02 Spotlight

人前で歌うようになってもうずいぶん経つけれど、ここまで歌ってきたからこそ多くのお客さんはもちろんのこと、沢山のアーティスト達にも出会うことが出来た。

その中でもある程度長い期間活動を続けてきた方々には、何というか独特の存在感がやっぱりある。


音楽に限らず何かを続けてゆくって大変なことだから、それをしてきたカッコ良さ。
周りの環境や家族のこと、年齢のことやお金のこと、そして自分の気持ちだったり、そういった一つ一つのバランスを取りながら、折り合いをつけながら、一歩一歩やってきたカッコ良さ。

そのバランスはとっても危ういものだから、何かほんの少し状況が変わるだけで、あっという間に崩れてしまったりして、その度に立て直してゆくんだけど、それでも続けられなくなってしまうことだってある。



これまで出会ったアーティストの中にも、色々な理由で別の道へと進んでいった人がたくさんいた。



その内の一人に、頑張って頑張って、歯を食いしばりながら頑張って、やっと僕なんかは立ったことの無いような大きなステージで歌う夢を一度は叶え、だけどその後も紆余曲折を繰り返し、悩んで迷って、そしてある日、生まれ育った町へ帰って新しい一歩を踏み出すことを決めた男がいる。


Spotlightは、その彼に向けて書きました。




彼とはとあるライブで出会い、一時期は彼の勤めていた会社で一緒に仕事をしていたこともあった。

ライブで共演したからといって、なかなかそこまでの関係になることもないんだけど、かと言って何でも腹を割って話すような仲だったかというと、決してそういうわけでもなかった気もするし、名前を呼ぶときも結局最後までお互いに「さん」付けのままだった。
それはたぶん、彼の歩んできた道に対しての「自分には出来なかったことをしてきた人」という尊敬の念からであり、おそらく彼もまた僕に対して何かしらそういう気持ちを持ち続けてくれていたからだと思う。


彼は、どれだけの苦難を乗り越えて大きなステージに立ったかを、そしてそのステージに立った時の話を、事あるごとに語ってくれた。
スケールの違うホールで、出演の時間が迫る胸の高鳴りを、ステージ袖から勢いよく出ていって、煌々とした照明と大歓声に包まれながら歌う興奮を、臨場感たっぷりに。

その話は当初、同じ志を持っている者としての共感と、感心と、羨ましさもあって、貴重な経験談として興味を持ちながら聞いていたが、一緒にいる時間が長くなるほど、次第にその話が、当時の彼に比べ今の彼はなんてちっぽけなんだろう、という彼自身に対する不満のように聞こえることや、時には必死にプライドを誇示しているように映ることもあった。


『ずっと探していたんだ あの夢の続きを きっと分かっていたんだ 答えのある場所は』


根が真面目でとても賢かった彼は、そんな自分の心理にはとっくに気が付いていて、きっとそこから抜け出す方法を探っていたんだろうと思う。





歌詞を書くにあたり、彼のCDを引っ張り出して聴いてみた。
多くの曲のモチーフとなっていたのは、挫折とそこから立ち上がる姿。

あの、大きなステージの話していた彼が浮かぶ。


並んでいた彼の曲のタイトルを眺めているうちに、自然と言葉が生まれてきた。
"創作"をしないように雑念を捨て、タイトルからこぼれてくる言葉を拾う。

そうやって紡いでいった歌詞には、敢えて彼の曲名がいくつもそのまま使われている。


決して軽いテーマの詞じゃないから、説教臭くならないように、重くなりすぎないように曲調はアップテンポにして、新しい道を行く姿に負けないように歌った。
歌でテンポ感を殺してしまわぬように、ドラムやベースを頭で鳴らしながら歌い出しと切り際に気をつけて、元気だけど押し付けがましくなく、サラッとだけど意志が宿る歌。

何度も歌い直した。一番時間が掛かったかもしれない。


伊沢ビンコウの歌が好きだといつも言っていてくれた彼が、いつかこの歌を聞いてくれた時に、込めた気持ちが伝わるぐらいの歌は録れたかな。
涙もろい彼が、それでジワっとでもしてくれたら報われるんだけど(笑)。



彼としていた仕事を離れてしばらくしたある日、人づてに彼が故郷に帰るという話を聞いた。

大きなステージでキラキラと歌う夢は、華やかでカッコ良く思えるものだし、家族と仕事を持って良き旦那や父となる夢は、地味で普通に見えてしまうけれど、実のところどちらも優劣の無い横並びの立派な夢だ。

寂しい気持ちもあるけれど、葛藤の末に腹を括って新しい夢を追う彼は、歌い続ける男達にも決して劣らないカッコ良さがあった。


『いつかのスポットライトにだって負けないくらいに 大きく輝けるんだ』


彼に向けて書いたはずの曲だったけど、同じように別の道を行った仲間達や、もしかしたら自分自身にも歌っている気がしてます。


Smile on rainy days、また晴れるさ。

comment
なんだか眠れなくて
こんな夜中に読んじゃないました。

仕事終わりに電車に揺られながら
seamlessを聞くのが日課になってます♪

マジックアワーを聞くのに
ちょうどいい時間(^ー^)

そして、2曲目のspotlight♪

年齢を重ねてきて会社での
自分の立ち位置に悩むことも多いけど…
いつまでも頼ってもらえるアネゴで
いれるように(笑)
また明日もがんばろぉー!!って思える
背中を押してくれるこの曲好きです!!

改めて明日ちゃんと聴きますね♪
電車で泣いたらどぉしよ(笑)

次回も楽しみにしてます!
  • ゆかぴー
  • 2013/06/21 1:06 AM

おはようです♪

昨日すぐに
コメントしたのに
最後ちゃんと
送信できてなかったみたいです(/_;)(笑)

読んでて深いなぁて思いました。
でも、
この歌を初めて聴いた時
そんな感じのことかなぁて
感じてました☆
鋭いでしょ( ^^)/笑

何がかっこよくて
かっこよくないかは
その人自身が今をどぅ生きてるかですよね。

前を向いてて、
小さい大きい関係なく
夢をもって生きてたら
その姿が素敵でかっこいいですよね(^^)

私も夢をもって生きて
いきたいです♪

その方に
ビンコウさんのこの歌が
届くといぃですね(*´▽`*)
今、聴いてますー!
さらにいぃ☆☆☆

ありがとーうです♪
  • 恵み
  • 2013/06/21 7:49 AM

大好きな曲です。
私は、全く、実際のこととは思っていなくて〜、
似たような立場のアーティストさんを想像して、応援する気持ちで、聴いたりしていました。

ビンコウさんの中にも、通じるものがあるのかな〜と、思い、私自身も、力をもらっています。
「羽はまだ閉じちゃいない」というところが好きです。

是非、いつか生で聴きたいです!

  • 貴子
  • 2013/06/22 8:45 PM

>ゆかぴーさん

seamlessを日課にしてくれて、ありがとうっ◎

大人になるほどいろいろと抱えることも増えるけど、いつまでも頼られるアネゴ!でいて下さい笑

まだまだつづくこのライナー、お楽しみに〜/


>恵みさん

そうそう、夢に向かって、なんて気恥ずかしい気もするけど、それがなくちゃね。

彼には、聴いて欲しいような、何言われるかわかんないんで、知られたくないような笑


>貴子さん

このライナーは、あくまで作り手側からの解説というだけで、皆さんそれぞれの思いで聴いてもらえたら、それが何よりです。

この曲は、何となく120%のバンドバージョンで聴いても欲しいかもっ☆
  • ビンコウ
  • 2013/06/28 5:11 PM

軽やかなのに強い何かを感じるのは、なんだろーと不思議だったんですが、これ読んで「なるほどー」と思いました。

歌詞も今までないくらい、すんなりと聴こえてくる感じで。爽やかな日本語にビンコウさんの強い思いをのせて。

とっても好きです!

ぜひバンド入れて、何倍も何倍もパワーアップさせたのも聴きたいなぁ。きっと上昇気流みたいに、空を飛んでいくような気持ちになると思うなぁ。

  • トモ☆
  • 2013/06/30 12:37 PM

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